マリオネットの溜息
暫く逢わない内に大人になったし、明るくなった。それが四年振りに逢う彼女への第一印象。
「フェルトは明るくなったね」
「そ、そうかな」
「そうだよ。だって僕等、多分事務的な会話ぐらいしかしたことないよ」
「……そう言われると、…そうかも」
同じオペレーターのクリスティナはよく話し掛けてくれたけど、フェルトとは本当に話す機会なんてなかった。 多分お互い似た者同士で、お互いに興味が無かったからだ。
それが少し、近付いた。
「その髪型、凄くいいね」
「有難う。私も好きなの、この髪型。」
照れ臭そうに笑う彼女をみて、暖かい気持ちが込み上げてくる。
その分僕は成長出来ているんだろうか。
(Feldt)




おめかししてどこ行くの
妙に着飾った、いつもと違うクリスティナとすれ違う。キラキラとしていて、ふわりと薫る甘い香りに鼻が擽られる。
「何処かに行くの?」
「うん、折角地上に来たんだから買い物に行きたいじゃない?今度アレルヤも付き合ってよ」
「残念、隣に並べるような服持ってないよ」
「じゃあ今度一緒にそれを選びに行こっか」
そう行って笑いながら手を振り去って行くクリスティナを見送る。
長時間の末、大荷物を手に帰ってきた彼女の戦利品の中に、一際大きなサイズの服が紛れていた事は誰も知らない。
(Christina)




窒息しそう
CBに来た頃に比べれば、女性に対する免疫は随分とついた方だと思う。恐らくそれはスメラギやクリスティナの御蔭だとは思うのだが、彼女等は年上で、年下の女性の事などあまり知らない。
だからこそ、此処に戻って来た時は驚いた。
「ハプティズムさん、宜しくですぅ」
小さな、明るい女の子。
聞けばイアンの娘だと言う。それも血の繋がった、本物の家族だ。
「ミレイナです、パパからハプティズムさんの事はよく聞いていますです」
「パパ………お父、さん?」
「はいです!」
明るく言い放つその笑顔に、息が詰まった。
お父さん、なんて聞き慣れない言葉は嫌いだ。
ヒュウっと喉奥を通り過ぎる冷たい風が、妙に喉に染み渡った。
(Mileina)




091016
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